「若い人に人気のTikTokって、採用にも使えそう!」
「今も求人サイトには登録してるけど、SNSもやったらもっと効果ありそうなのに…」
SNSが広く浸透した今の時代、若者に人気のTikTokでの採用を考え始めた企業の採用担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今まで求人の手段としては、求人広告を出したり、求人サイトに登録をするのが一般的でしたよね。
しかし、この登録料はなかなかのコストがかかるばかりか、登録する企業が多すぎて自分の会社が埋もれてしまうこともあるのが悩みのタネ。
求人を増やすために掲載は続けているけれど、本当にこのままで良いのか不安になってしまいます。
「こんなにお金を出す価値ってある?」
「毎月スカウトメールを何十件も送り、求人サイトと睨めっこする毎日に疲れた」
「SNSで採用活動する方がコスパ良いんじゃない?」
こんなことを考えてしまうのも無理はありません。
実は、採用活動にTikTokを活用した企業に行ったアンケートでは、88.3%の人が効果を実感しており、そのうち72.4%が「応募人数が増えた」と回答しています。
通常の求人サイトにプラスしてSNSの利用も開始すると、
Googleの検索画面で出てくることも増えるので、相乗効果が狙えそうです。
そしてTikTokを運用開始してから3ヶ月で47.6%の人が「求人広告の運用時よりもコストが下がった」と回答しているんです。
株式会社Suneight「TikTok採用に関する実態調査」
TikTokは若年層に人気のとても拡散力が高いSNSです。
うまく活用して会社の認知を広げることができれば、あなたの会社の採用活動を後押ししてくれるでしょう。
今回はTikTokを活用した採用活動について、メリット/デメリットを踏まえて解説をしていきます!
「TikTokを採用活動に取り入れる」なんてことは、頭の固い中堅社員のおじさんや昭和な社風の会社ではなかなか受け入れてもらえないかもしれません。
ぜひ上司の説得にもお役立てください!
TikTokは採用に使えるの?
TikTokユーザーの特徴
TikTokは10秒〜3分(最大で10分)程度の短い尺の動画をコンテンツとするSNSです。
SNSの月間アクティブユーザー数は、国内で1万9000人ほど。
利用者層は、リリース当初は10~20代を中心に広がりを見せていましたが、現在のユーザー平均年齢は34歳となっており、20〜30代で最も広がりを見せています。
TikTokが採用に使える理由
「Z世代就活生のTikTok活用実態調査」によれば、2023年卒業予定の大学生のうち、82%が毎日TikTokを利用している、と回答しており、若年層ユーザーへのリーチに非常に有利なことが分かります。
また、Z世代就活生の8割が「TikTokをきっかけに企業に興味を持った」という経験があり、そのうち66%が「興味を持って実際にエントリーした」と回答しています。
「若い世代への認知ツール」としては非常に優秀だと言えるでしょう。
TikTokで採用活動する運用方法3パターンと運用費
TikTokで採用活動をする場合は、運用方法が2パターンあります。
広告を出す
TikTokは2023年に収益化をし、広告が出せるようになりました。
簡単に認知を広げられ、数種類ある広告から最適なものを選ぶだけなので手間はかかりません。しかし、もちろんこの方法はコストがかかります。
<TikTok広告一例>
・起動画面広告:
アプリ起動時に全画面に広告を出すことができます。費用は500万円/日ほど。
・インフィード広告:
通常の動画に混ぜて広告動画を流すことができます。費用は一番安いプランで42万円/日です。
・ハッシュタグチャレンジ:
企業が用意したハッシュタグを使ってユーザーが動画を投稿するもの。3日間で1000万円〜コースがあります。
既存の採用方法と比べて対比用効果が高いと判断できれば挑戦してもいいかもしれません。
ビジネスアカウントを運用
企業の名前でアカウントを開設し、自社で動画を作成して投稿していく方法です。
通常のコンテンツとして投稿していくので、動画作成・編集といった手間はかかりますが、コストもかからず、自社のブランディングとしても役立ちます。
自社で運営する場合
最もコストを抑えられる方法です。
アカウント作成は無料で、動画制作もアプリ内でできるので、初期費用はほとんど必要ありません。
マーケティング知識のある人や、動画制作ができる人が社内にいれば最初は自分たちで運用をスタートさせてみるのもアリでしょう。
運用代行を頼む場合
「自社でやるのはちょっとハードルが高いかも…」というときは、マーケティングやSNS運用の専門会社に頼むのも手です。
外注額は月額20万円〜が目安。内容によっても異なるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。
TikTokで採用活動をするメリット 5選
TikTokでの採用活動は他にもメリットがあります。
拡散力が高い
TikTokはアプリを開いた瞬間から、おすすめ動画が永遠に流れてくる仕様になっています。
「一覧から観る動画を選んでクリックする」というアクションを必要としないため、動画を視聴するハードルがかなり低いことが特徴です。
そのため、他SNSと比べても非常に拡散力が高く、フォロワー以外の人に動画を届ける能力に長けています。
そのため、新規参入しても結果を出しやすいSNSと言えます。
低コストで始められる
企業の新卒採用にかかる1人あたりの平均コストは約90万円と言われています。このコストの大きな要因は、メディア掲載費やPR動画の制作費などであることがほとんど。
TikTokは、強力な発信力を持つプラットフォームであるにもかかわらず、無料で利用できます。
また、アプリ内に動画編集機能やエフェクト、BGMをつける機能がすでに備わっており、TikTokのアプリ1本で、撮影・編集・公開・解析までカバーできます。
スマホひとつで運用を開始できるのは大きな魅力です。
長尺動画よりハードルが低い
TikTokのコンテンツは10秒〜3分程度の短い尺の動画が中心です。
この短さが投稿する側にとっても、視聴する側にとってもメリットになります。
長尺の動画だと、企画を練るのも台本を考えるのも時間がかかりますし、何より編集が大変です。
視る側からしても、15分の動画を視るには多少気合が要りますが(笑)、1分という手軽さが視聴のハードルを大きく下げてくれます。
参入企業が少なく、目立ちやすい
YouTubeやFacebook、Instagramでの採用活動を採用する企業は多くあります。
TikTokは、
・「ダンス動画や音楽、エンターテインメントの場」というイメージが強かった
・ショート動画では商品・サービスの売上には直結しにくいという印象が持たれていた
ということもあって、参入している企業は少ないのが現状です。
近年は、TikTokでも広告やイメージアップにも効果が認められており、徐々に採用する企業も増えてきていますが、競合が少ないなかで自社をアピールできるのは大きなメリットと言えるでしょう。
企業のブランディングができ、イメージが伝わりやすい
動画での投稿が中心となるので、働く職場の環境や雰囲気が伝わりやすいのもメリットのひとつです。
企業にとっては社風を気に入って入社してくれる人というのは、長く働いてくれる可能性が高く、見逃せない要素ですよね。
しかし、一般的な採用活動でこの「社風」を垣間見れる場面は多くありません。
会社の雰囲気を動画で届けられるのは、就活生にとっても企業側にとってもポジティブな要素になるのです。
また、企業側はブランディングにもなるので、求人活動以外のマーケティングにもTikTokを利用できます。
TikTokで採用活動をするデメリット3選
運用に手間がかかる
短い動画尺がコンテンツのため、単発投稿で効果があるというものではありません。
動画をたくさん見てもらえれば見てもらえるほど、あなたの会社のファンは増えていくため、それなりの数の動画を投稿していく必要があります。
そして投稿さえすれば必ず拡散される、というものでもないので、動画を投稿しながら
「再生回数を伸ばすにはどんな動画を投稿する必要があるのか?」
を考えていかなければなりません。
そのため、ある程度長期の運用を見越しておく必要はあるでしょう。
コンテンツ作成に時間がかかる
動画コンテンツは完成するまでに手間と時間がかかります。
撮影や編集の時間も通常の業務時間から捻り出す必要がありますし、他の業務と重なると負担になる場合があります。
社内でTikTok運用に割けるリソースがあるかどうかはしっかりと確認することをおすすめします。
炎上リスクがある
TikTokは拡散されやすいというメリットの半面、炎上のリスクも高いというデメリットがあります。
公開する動画の内容によって、否定的な意見がありそうなものはある程度想定して公開していくようにしましょう。
また、ユーザーが若年層ということもあって、ネットリテラシーがそれほど高くない利用者も多いです。企業側が意図しないところから荒れてしまうケースもあります。
求人を成功させるためのポイント4選
TikTokアルゴリズムを理解する
動画が拡散されて「再生回数を爆発的に増やす」、つまり「バズる」ためには、TikTokというプラットフォームの考え方を理解しておきましょう。
TikTokはユーザーにとって魅力的な動画を日々探しています。それは魅力的な動画が多ければ多いほど、ユーザーの滞在時間が伸びて広告収入が入るからです。
ではTikTokはどうやって、「投稿された動画がユーザーにとって魅力的な動画か?」を判断しているのでしょうか?
まず、TikTokにアップされた動画はAIによって、ランダムに200人程度のおすすめ動画で流されます。
↓
そこで視聴者の食いつきが良ければさらに数百人へおすすめされ、反応を見ます。
↓
そこでも反応が良ければ、さらにたくさんの人へおすすめされていき、拡散が広がっていきます。
AIが「この動画は視聴者の反応が良い!」と判断するには以下のような評価軸があります。
<TikTokの動画評価軸>
・平均視聴時間
投稿した動画が視聴者に平均何秒見られているか
・平均視聴維持率
視聴者がその動画を何割視聴したか
・最後までループしてみた割合
動画を最後まで視聴して、2回目の再生に突入するか
・視聴後のリアクションの数
いいね、コメント、保存、共有などの数
・1つの動画を視聴した後、他の動画も観に行くか
このポイントを意識した動画作りを心がけることで、動画がバズりやすくなります。
採用臭を出さない
採用のためのアカウントといっても、全面に採用臭を漂わせる必要はありません。
ユーザーにとって魅力的な投稿をしていけば、自ずと会社のファンが増えていくからです。
会社を知ってくれてさえいれば、就職活動をするとなった時、「あの会社も面白そうだから調べてみようかな」と思い出すのはごく自然なことなので、
動画で採用のアピールをせずとも採用効果は出るのです。
<ユーザーにとって魅力的な動画の特徴>
・インパクトがある
ーギャップや、見たことのない工程が出てくる
・企業の裏側が見れる
ーありのままの企業の姿は需要があります
・見るメリットが理解できる
ー「この動画を見ると良いことがある」「見ないと損する」と思わせられる
・トレンドを取り入れている
ーTikTok内でその時流行っている音楽やBGMを使用している
・凝縮されている
ーひとつの動画に面白い要素が凝縮されている、間延びさせない
ちなみに、「Z世代就活生のTikTok活用実態調査」によれば、
「企業のTikTokでフォローしたいと思うコンテンツを教えてください。(複数回答)」との質問に対して、
「社員のコミュニケーションの様子」(45.3%)、「実際の仕事の様子」(40.7%)という結果になっています。
ベストな投稿頻度とタイミング
最適な投稿時間帯
TikTokの利用が最も活発になるのは、朝夕の通勤通学時間(7:00~9:00、17:00~19:00)と、夜の就寝前(22:00〜1:00)です。
移動時間と就寝前はつい気が緩んでスマホを開きがちです。
ターゲットのライフスタイルに合わせて、最適な時間に投稿をすると効果が見込めます。
投稿頻度
週に2回ほどの頻度での投稿が、クオリティを保ちつつアカウントの存在感も強調できるのでおすすめです。
また、若い世代はタイムリーな話題には食いつきやすいので、季節の行事や新卒採用がスタートする時期などは、トレンドを織り交ぜながら投稿頻度を上げるのも手です!
ハッシュタグとキャプションを活用する
TikTokはハッシュタグを付けて動画を投稿することができます。
このハッシュタグは動画の検索に使用されることが多いので、求人活動に関連したハッシュタグを付けるのも効果があります。
<求人関連ハッシュタグ>
#会社
#会社紹介
#広報担当
#企業
#新卒採用
#転職
#会社員の日常
またキャプション(動画の説明文)内容も、検索に反映されるので、あわせて活用しましょう。
採用アカウント成功事例
では、実際にTikTokアカウントを運用して、採用活動に生かしている企業を見ていきましょう。
株式会社BEEM
@beem_official お疲れ様ですってこんな万能なん?w#株式会社beem #beemに恋してる #挨拶#水曜日のダウンタウン ♬ オリジナル楽曲 – 株式会社BEEM
『ー大人の本気を見せてやるー』とプロフィール欄に書かれた株式会社BEEMのアカウントは、エンターテイメント性の高さが人気で、46万人のフォロワーを誇ります。
主な事業内容はマーケティングです。自社のブランド構築もお見事ですね。
個性の強い社長と社長をイジりまくる社員の、パンチ力のあるコンテンツが魅力で、本気で笑いを取りに来ています(笑)
「こんなノリのいい会社知らない!」「ここに就職したい」というコメントが多く見られるアカウントです。
株式会社リンクロノヴァ
@lincronova たくあんは園芸の先生から、卵はうちからの差し入れだ#リンクロノヴァ #上司と部下 #社長と部下 #会社で料理 #料理する部下 #料理男子 #卵かけご飯#銀の匙#宮城 #仙台 #LincM ♬ オリジナル楽曲 – ながの社長
「ながの社長」という名前のこちらのアカウントは、社長の前でいきなり料理が始まるエンターテイメント性の高いコンテンツが人気です。
会社のデスクの上でいきなり料理が始まって、「デスクが汚れるのが嫌な社長」と「お構いなしで料理を進める社員さん」とのやり取りも面白いですが、
何より料理がめちゃくちゃ美味しそうなんです…(笑)
なんだかんだと言いながら、結局は美味しそうに料理を食べる社長に共感が集まって、人気を博しています。
実業は総合建設業だそうです。
ANA
@ana_allnipponairways 🦌🤍🧍♀▶▶▶🦌🩵🦌✨ @【公式】しかのこのこのここしたんたん【アニメ7月放送開始】 #allnipponairways #ANA #airlines #客室乗務員 #グランドスタッフ #cabinattendant #CA #cabincrew #groundstaff #GS #Japan #haneda #airport #anime #しかのこ #しかのこのこのここしたんたん #shikanokonokonokokoshitantan #mydeerfriendnokotan #animeopening #animesong #animedance #おしおしお #シカ色デイズ ♬ シカ色デイズ (イントロ耐久60秒バージョン) – 鹿乃子のこ (CV.潘めぐみ) & 虎視虎子 (CV.藤田 咲) & 虎視餡子 (CV.田辺留依) & 馬車芽めめ (CV.和泉風花)
ご存知の通り、全日本空輸株式会社(ANA)は日本でトップシェアの航空会社です。実はANAもTikTokアカウントを持っています。
ANAの投稿は、流行の音楽やダンス、CAさんの日常などを取り入れたコンテンツが多めです。カジュアルな雰囲気がとてもよく伝わってくるアカウントです。
ライソン株式会社
@lithon_corp 会社で本格焼き芋ブリュレ作ったらどうなる!?#ライソン #焼き芋ブリュレ #焼き芋 ♬ オリジナル楽曲 – ライソン株式会社
ライソン株式会社の特徴は、「男性社員が定時になるといきなり料理を始める」というインパクトがうけています。
周りの人たちも料理の匂いにつられてついつい仕事を中断してしまい、仲が良い雰囲気も伝わってきます。
実は、動画内で使っている調理器具がこの会社が販売しているものなんだそう。 TikTokのバズり要素に自社商品のPRをうまく織り込んだコンテンツとなっています。
採用活動にTikTok活用が向いている企業・業界は?
参入しやすいTikTokですが、導入する企業にも向き・不向きがあります。
採用活動にTikTokを導入すべき企業
若年層をターゲットにした企業
TikTokの主なユーザー層は若年層なので、新しい世代の意識や価値観を取り入れたい企業には向いていると言えます。
Z世代は情報を動画で短時間で消費することに慣れているので、TikTokのような動画コンテンツが響きやすいです。
クリエイティブなコンテンツが得意な企業
TikTokでの主な発信内容は、動画コンテンツなので、すでに動画制作のノウハウがある企業の方が、参入のハードルは低いでしょう。
認知を広げたい企業
TikTokは広範囲なユーザーに露出することができるため、認知を広げたい企業にもおすすめです。
導入に向かない企業
TikTokの特性上、全ての業界や企業に適しているわけではありません。
フォーマルな業界や企業
フォーマルなイメージを持つ業界で企業では、TikTokのカジュアルさと相性が悪い可能性があります。
ターゲットが若年層でない場合
中途採用などの中高年層をターゲットとする採用活動を行いたい企業は、TikTokは最適なプラットフォームではないかもしれません。
情報セキュリティや、社内情報漏洩に慎重な企業
公開された情報が広範囲に拡散されやすいため、情報の取り扱いに非常にシビアな企業は注意が必要です。
最後に:TikTokをうまく使えば企業イメージアップを狙える
TikTok求人は、低コストで若年層に認知を広げるには最適なツールです。アプリひとつで始められる手軽さもおすすめできるポイントのひとつ。
そして特別なことをしなくても、社風を理解した人が集まってくれるのは、企業側にしても採用される側からしてもメリットになります。
ぜひこの機会にTikTokでの採用を検討してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
また次の記事でお会いしましょう!