育休中にWebマーケティング挑戦中のMikiです。
突然ですが、2022年からTikTokでの認知を大成功させた「ど素人ホテル再建計画」さんをご存知ですか?
@4610_hotel #沖縄 #ホテル ♬ オリジナル楽曲 – ど素人ホテル再建計画 – ど素人ホテル再建計画 @沖縄県恩納村
「僕はいきなり沖縄の大赤字リゾートホテルの再建を託されたど素人」
という衝撃の言葉から引き込まれる数々のショート動画で認知獲得を成功させた方です。
TikTokフォロワーは7万人を誇り、アップする動画のほとんどが万バズ、
トップ動画の再生数は360万回という脅威のアカウントです。
本日はこのアカウントがバズった理由を徹底分析していきます!
・SNSで認知を広げたいけど、どんな発信をしたら良いのか分からない
・どんな動画がバズるのか知りたい
・ショート動画の戦略が知りたい
こんな悩みの解決方法を実際のTikTok動画を参考に解説していきますよ!
「ど素人ホテル再建計画」をさらっとおさらい
まずはこのアカウントの概要を簡単に説明しますね。
舞台は沖縄にある大赤字のリゾートホテル
この大バズりホテル、いったいどんなホテルなのか?というと、
元は沖縄県恩納村にある「なかどまinn」というリゾートホテルです。
(現在は改名され「BUZZ RESORT」となっています。)
ホテルの現状は倒産寸前の大赤字!
SNSでの発信を始めた2022年2月時点のホテルは、
・18室ある客室の稼働率15%
・開業して20年 デザイナー建築
・宿泊料はピークの1/3
・併設レストランは休業中
・SNSの運用皆無
・従業員2人
という、このままだと売却もあり得る悲惨な状態でした。
大赤字ホテルの運命を任されたのは、経営未経験のど素人
この倒産寸前のホテルを建て直すために経営を任されたのが、このアカウントで「ど素人」を名乗る「片岡力也(かたおかりきや)」さん。
おじいさんが旅人だったという片岡さんは、なんとプロポーズさえ指輪ではなく「世界一周旅行」をプレゼントするという旅好きっぷり。
仕事も「自分がコンテンツになれば、場所にとらわれない働き方ができる」と思い、動画編集を始めたそうです。
旅をしながらホテルやレストランのPV制作を行っていたところ、
その活動が今回のホテルオーナーの目に留まり、今回の再建計画をお願いされたという経緯です。
ホテル経営未経験でも、再建を受けた理由
ホテル経営なんて未経験な片岡さん、なぜ再建を引き受けたの!?と誰もが思いますよね。
再建を依頼されたとき、片岡さん自身も戸惑いはあったようですが、
実際ホテルに足を運び調べてみると、
・デザイナーズ物件でおしゃれ
・家具もこだわられている
・口コミも良い
・海が目の前の好立地
と、なかなか良いホテルだったそうです。
そしてホテルを調べていくうちに、このホテルで圧倒的に不足しているものに片岡さんは気がつきます。
それは片岡さん自身が得意とするWebでのPR、つまり「認知」への対策でした。
「PRをして認知さえできればこのホテルは再建できる。」
そう確信した片岡さんは、この大赤字ホテルの再建を請け負うことになったのです。
ここからはバズりの理由を分析していきます!
バズった理由1 「大赤字」×「ど素人」という設定が強い
圧倒的弱者戦略
まず、このアカウントの背景が非常に強いです。
というのも、Webにおいて演者として強いパターンが2パターンあり、そのひとつにガッツリはまっているのです。
その2パターンとは、「強者」と「弱者」です。
どういうことか説明しますね。
・強者
もともと専門性があったり、ある程度成功して有名な人。
医者や弁護士といった専門性が高い人は、人が話を聴きたくなるので自然と人気が出ます。芸能人がYoutubeを始めたら人気が出るのも、強者としての人気です。
・弱者
一方弱者は、「何もない」のではなく、スーパーマイナスのステータスです。
普通ではなくて、ど底辺であることが大切です。
例えば、
・投資で失敗して、今にもキャッシュアウトしそう
・太りすぎて、このままだと命の危険がある
といった状態です。
ど素人ホテルさんは、この圧倒的弱者のポジションをうまく取っています。
「大赤字ホテル」という要素と「ど素人」という要素の掛け算でスーパーマイナス状態を作り上げているんですね。
では、この「弱者」戦略はなぜ強いのでしょうか?
弱者戦略の強み
最初から応援ムードになる
あまりのど底辺ぶりに、視聴者は最初から応援ムードで動画を観てくれます。
さらに応援しているとついコメントをしたくなり、結果アカウントが盛り上がります。
ハラハラさせられるエンターテイメント性
いつ本当にダメになってしまうのか、ハラハラしながら見守るということが、エンターテイメントとして成り立ちます。
「そういえば大丈夫だったかな」
「あの後どうなったのかな」
なんて考えてしまいついアカウントを覗きに行ってしまうのです。
ど素人ホテルさんは、この強みを利用して、ホテル再建の一部始終をドキュメンタリーのように動画にしているんですね。
バズった理由2 前代未聞の視聴者を巻き込む企画
この設定にプラスして片岡さんが考えた企画が、とても秀逸です。
その企画とは、
「ホテルの経営方針を全て、SNSを使ってフォロワーと決める」というものです。
本当にフォロワーからコメント欄に意見を募り、多数決をして決めるのです。
これまでこのシステムで決まったものは以下の通り。
視聴者参加企画で決まったもの
・ホテル名
・ホテルロゴ
・全部屋異空間システム
・部屋のコンセプト内容
・ホテルグッズ
「こんなことまで視聴者に意見求めるの!?」ということまで、
徹底的に視聴者を当事者にして巻き込んでいく企画で、投稿のコメント欄はいつも盛り上がっています。
片岡さんはエンターテイメントを作る天才ですね。
そして、実はコメントが多くついて盛り上がっている投稿というのは、
TikTok側からも良い動画だと判断され、バズりやすくなるんです。
バズった理由3 投稿する動画の構成が秀逸
TikTokが動画をバズらせるアルゴリズム
実は、企画が面白いだけではなく、動画のひとつひとつにもバズる秘密が隠されています!
その動画をバズらせるかどうかは、TikTokのアルゴリズムが判断する訳ですが、
そこにはいくつかの評価軸が存在します。
TikTokの動画に対する評価軸
・投稿した動画がどれくらいの時間見られているか
・視聴者がその動画を何割視聴したか
・最後まで見てループした割合
・ユーザーの反応(コメント率やリピート増加)
※ループ:ショートムービーは、最後まで再生が終わると自動的に動画の最初に戻りまた再生されます。この動作を「ループ」と呼びます。
要はユーザーが最後まで見てしまう確率が高い動画が優秀だと判断されてバズるのです。
片岡さんは非常にこの「最後まで見させる」技術が高いのです。
最後まで見させることができやすい5つの特徴
さらに、最後まで見てしまうショートムービーには特徴があります。
最後まで見てしまう動画の特徴
・大衆ウケコンテンツ
馴染みやすさがあり、世の中の人の大半が興味があるテーマであること。
恋愛、美容、仕事、格闘(暴力)、エンタメ、お金など。
・最初の2秒はインパクト
視聴者が見るか見ないかを判断する最初の2秒でインパクトがあること。
・最初の7秒までに最後まで見るメリットを理解せさる
視聴者が最後まで見るか見ないか判断する7秒までに、興味付けをすること。
結末が想像できない、気になる!と思わせることが重要。
・ループが起きやすい動画が勝つ
動画がどこで終わっているのか分からない構成であることや、コメントしやすい動画であること。
※コメントしている間も動画は再生され続けるため、コメントをするとループが起きやすくなります。
・面白いショートムービーの本質は「凝縮」
重要なポイントを最大限まで詰め込んでいること
では、この特徴を頭に入れた上で、実際にバズった「ど素人ホテル再建計画」の投稿を見ていきましょう!
実際にTikTokでバスった「ど素人ホテル再建計画」の投稿
片岡さんが投稿し、バズった動画にはいくつかのパターンがあります。
このパターン別に動画を解説していきます!
【パターン1 順調だった再建にピンチ→解決までのストーリー】|ドライフラワー部屋がオープンできません 180万再生
全部屋異空間システムの企画で誕生した、ドライフラワー部屋についての投稿です。
@4610_hotel #沖縄 #ホテル ♬ オリジナル楽曲 – ど素人ホテル再建計画 – ど素人ホテル再建計画 @沖縄県恩納村
✔︎チェックポイント
・コンテンツ
動画がひとつのストーリーとしてエンターテイメントが成り立っている。
・インパクト
「ドライフラワー部屋がオープンできません!」という衝撃から始まる。
施工が順調に進んでいると思われた部屋が、オープンできない!!と言われたら、視聴者からしたら気になる。
・興味づけ
「1点気に食わない点がある」と結末を気にならせる誘導をしている。
・凝縮
部屋が完成できない理由から、紆余曲折を経て、完成するまでのストーリーがぎゅっと凝縮されている。
この動画は、
①日常に変化(ピンチ)が訪れる
②周りの人が助けを差し伸べてくれる
③ピンチが解決して、日常に戻る
という構成になっています。
そして同じ構成が片岡さんの動画には良く使われています。
同じような構成でバズっている動画
・宇宙部屋が不満 140万回再生
・ドライフラワー部屋消滅の危機 40万回再生
【パターン2 ぶっ飛び企画、ピンチの発表→アイデア、人の募集】|ホテルの土地を希望者に譲ります 130万再生
ホテルの隣にある土地を譲るので、そこで誰かグランピング施設を作って経営しませんかという、ぶっ飛んでいる提案の動画です(笑)
@4610_hotel #沖縄 #ホテル #恩納村 ♬ オリジナル楽曲 – ど素人ホテル再建計画 – ど素人ホテル再建計画 @沖縄県恩納村
✔︎チェックポイント
・コンテンツ
面白すぎる企画の募集(エンターテイメント要素)。
・インパクト
「ホテルの土地を希望者に譲ります」という一発目のセリフが、強烈なインパクトを残す。
・興味づけ
「ホテルの横にあるこの庭」という説明で、やたらに広い庭が映ることで「ここで、何をやろうというんだ?」と、結末が予想できない始まり方をする。
・ループ
コメント欄で経営者の募集をしているため、コメントが書き込まれやすい。
・凝縮
協賛でもらった土地の紹介から、施設の経営者募集、そしてこの土地で経営をすることのメリットまでを詰め込んでいる。
片岡さんが目指すのは「視聴者みんなで作るホテル」。
この価値観のもと発表される企画がだいたいぶっ飛んでいて、インパクトがありすぎることでバズっていることが多いです。
他にぶっ飛び企画でバズっている動画
・ジャンプ力のあるやつ全員宿泊無料のホテル 70万回再生
・宿泊費が1円のホテル? 64万回再生
・屋上BAR 38万回再生
またこのパターンを「ピンチ到来!→アイデア募集!」の型でやっていることも多いです。
いずれにせよ、冒頭のインパクトが強く、コメントが集まりやすい動画です。
・学生無料部屋 消滅の危機 110万回再生
・宿泊予約キャンセル殺到 50万回再生
【パターン3 ピンチ到来!?→実は良いことだった】|大量に〇〇届いた 87万再生
ホテル公式Tシャツを募集したところ、こんなにたくさん送られてきたよ!ここから決めよう!という感謝を伝える動画です。
インパクトを与えられるように、単純に感謝を伝える構成にしていないところに注目です。
@4610_hotel #沖縄 #ホテル #恩納村 ♬ オリジナル楽曲 – ど素人ホテル再建計画 – ど素人ホテル再建計画 @沖縄県恩納村
✔︎チェックポイント
・コンテンツ
怪しげな音楽で始まり、視聴者の不安を煽る→実は良いことでした!と打ち明けるストーリーを作っている(エンターテイメント要素)。
・インパクト
「俺のホテルに大量の〇〇を送りつけた奴、マジでふざけるなよ!!」というマイナスからの始まり方でインパクトがある。
・ループ
コメント欄でデザインコンテストを開催しているため、コメントが書き込まれやすい。
・凝縮
大量に送ってもらったことへの感謝だけでなく、Tシャツデザインコンテストまで要素を詰め込んでいる。
この型も多くの動画で使われています。
同じストーリーでバズっている動画
・キャンピングカープレゼント企画 無かったことに 40万回再生
・ぶっ刺しにホテルまで来た女 11万回再生
・市長から呼び出された 10万回再生
バズる要素をうまく利用すれば認知を広げられる
いかがだったでしょうか。
弱者戦略は、コメント率やリピート率が高くなるため、TikTokのアルゴリズムから評価されやすい有利な戦略と言えます。
「ど素人ホテル再建計画」さんの投稿は、ここにさらに動画を最後まで見させる要素を多く加え、バズりやすい動画の構成になっていました。
ぜひ、このテクニックで認知拡大に挑戦してみてはいかがでしょうか。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう!